去る10月6,7日の2日間に渡って極真祭が京都にて開催されました。この大会では、少年部、中学、高校、大学、女子、壮年、そして型競技の各部門がそれぞれ「全日本」と銘打たれおり、そこで優勝をすれば名実と共に日本一の称号が与えられることになります。兵庫・大阪南支部からもたくさんの選手が参加し入賞を果たしました。
今回レポートを書いてもらった紅田和馬初段は日ごろの稽古の成果が実り、中学1年生の部で見事優勝を飾ることに成功をしました。レポートを読むと理解できますが、「空手が楽しい」という彼の純粋な気持ちが稽古に打ち込む原動力になっているようです。また、紅田君の現在の先生である川阪真一指導員(中山台・神戸北)にもレポートを書いていただきました。
極真祭はとても大きな大会なので、死に物狂いで練習しました。練習の無い日は近くの大きな公園に行き練習しました。二週間前にはケガをしないようにミットを中心に練習しました。
極真祭の会場に着いた時、もうみんな走ったり、ウォーミングアップをしていて、速いなと思ったり、勝てるのかなと思ったりしました。会場の中に入った時は広くて、”こんな所でやるのか”とすこし緊張しました。開会式が終わったら僕の試合は早かったので、アップをしました。一回戦はすごく緊張したけど、二回戦、三回戦はあまり緊張しませんでした。決勝戦は舞台でやるので、すごく緊張と負けられないとう気持ちでいっぱいでした。決勝戦で勝った後はとても気持ちが楽になりました。とりあえず優勝できて良かったと思います。
極真空手のいい所は、大きな声をだしてもおこられない!。逆に大きな声を出さないとおこれる所や一緒に稽古していくと仲良くなれたりするときに極真空手って良いなあと感じます。 そしてなにより道場に行って練習するのが楽しいので、学校やクラブがあってもやめたいとは思いません。空手は楽しいと思わなければ続けられません。いつもミットを持ってくたり、道場や試合に連れて行ってくれるお父さんとお母さんのおかげで今の僕があると思います。ありがとうございます。
紅田和馬
先日行われた極真祭で見事優勝を飾った紅田和馬君のここ一年位の成長を指導者としての観点で書きたいと思います。
まず彼の試合はビデオで見たのですが、緊張したという割にはしっかりと動けていました。そして全ての対戦相手との決定的な違いは、相手を尊重した上で、倒したい!効かせたいという気持ちを持って試合に臨んでいることを感じられる事でした。
最近の少年部の試合は圧倒的なスピードとスタミナでとにかく手数を出した者が勝ちとなる傾向が強く、そこには武道本来の目的である「倒す」という観念が希薄になっているように見受けられます。
しかし、和馬はきっちりと技を振り分ける中で効かしていました。そこが良かったと思います。そしてそれは日頃の道場での稽古と直結しています。基本稽古では全ての技を全力で出す習慣を付ける。そして常に相手を想定して技を出す、といったことです。
当たり前の事ですがどうしても一人よがりになり易く、また好きな稽古以外は力を抜きがちになりますが、和馬はどれも一生懸命行っているのが今回の結果を導いたのだと思います。
また、彼の父も道場生として一緒に稽古を頑張っているので、稽古の厳しさ、組手の痛さを理解されておられるがゆえ、自分の息子に対し無茶苦茶な練習をやらせたりすることがありません。ある時は自らの体を張って技を受けて彼の成長に付き合っていて、理想の親子関係が見て取れます。そして保護者の方が道場生なので、指導の難しさも含め、空手のことをよく理解されていますし、私の指導に対しても絶対の信頼を持ってもらえているのも和馬の成長に大変良い影響を与えていると思います。
最後に、和馬のこれからの空手家としての展望ですが・・・何も有りません。と言うのも、今回の極真祭でも私は優勝しろよと一言もいっていません。
大切なことは日々の空手の取り組みであって、頑張る目標の一つとして大会出場があると思います。そしてその試合で得たものを糧にまた稽古に励む。そう思って指導しています。
和馬もまたお父さんも変に先を見ず、今を大切にして頑張る姿勢が素晴らしいと思います。そういう意味で、第二第三の和馬が私の道場から輩出する事が出来る様に指導をしていきたいです。押忍。
川阪真一
HP係りより
子供に空手を習わせる目的は何であるか?その選択を間違うと空手の技は単なる突きと蹴りのエクササイズになってしまい、精神性を失うことに繋がりかねません。未成年という言葉は字が表すとおり成人年齢に満たない人、ということです。小学生、中学生、高校生という未成年者をリードしていくのは学校の先生であり、道場の指導員であるでしょう。しかし彼らが成長過程で影響を受ける最大の存在は
言うまでもなく両親です。ご子息が空手を習う目的はお父さん、お母さん方の武道に対する価値観で決まります。
空手指導者側からの立場から言えば、道場生には一時的なチャンピオンを目指すのではなく、できるだけ長期的に稽古を続けてもらい、武道本来がもっている素晴らしさを経験してもらうことこそが道場を運営する最大の目的といえるでしょう。少年部の稽古では、楽しみながら稽古に励み仲間との連帯感や尊敬心を育み、その過程で大会試合を経験することにより努力する大切さを知り、帯の色が変わることに自信を深め、黒帯となった後では後輩に教える責任感を身につけ、更には武技一つ一つを掘り下げる探究心を養う、という要点が骨子として挙げられるのではないでしょうか。
和馬君の存在は未成年者が武道を志す上での模範例としても重要な意味を持っています。
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