■ 交拳知愛
2008年5月24日 スポーツ倫理
先日、世界アンチ・ドーピング機構(WADA)が北京オリンピックでのドーピング検査に関する正式文書を発表しました。WADAは1999年にIOCを主管として発足して以来、オリンピックのみでなく様々なスポーツの国際大会においてドーピング使用に対する目を光らせてきました。
1988年ソウルオリンピック100mでカナダのベン・ジョンソン選手が禁止薬物の検出により失格となり、「ドーピング」という単語が世界中に広まりました。花形競技である100mで世界新記録をたたき出した直後の発覚が衝撃的なインパクトを伴って報道されたのです。
従来のドーピングは禁止薬物を体内に摂取することにより筋肉増強や精神的興奮を促進し運動パフォーマンスを向上させることを目的とします。しかしその行為は副作用やスポーツマンシップの倫理上、許されるべき行為ではありません。しかし勝利することによって獲得できる名声や賞金につられドーピングに身を投じてしまうアスリートが後を絶たないのが現状です。
ソウルから20年が経った現在、ドーピングに薬物使用以外の新たなる手法が可能になってきています。それは遺伝子ドーピングと呼ばれ、遺伝子情報を組み替えることにより筋肉増強を図る手法です。遺伝子レベルで身体を操作されるため検査方法の確立が極めて困難であるとされ、北京オリンピックでこの方法を使用してくるアスリートが出てくると認識されています。
科学の発展は諸刃の剣です。使用する人間の倫理観に疑いがあるなら、その研究の有効性は人災となって我々に帰ってきます。極真を含めた武道精神を標榜する団体でのドーピング・フリーを祈るばかりです。■
注)中村道場という一団体に掲載されるコラムであるため私的な題材や意見は極力避け、一般的な内容に的を広げてあります。しかし文章作成上、全ての主観を取り除くことは不可能であることもご理解下さい。上記の文章内で不快な気分を持たれた方は、このコラム蘭はあくまでHP係りが提供しているものであり中村道場全体の意見を代表しているものではない、ということをご理解ください。
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