■ 交拳知愛
2008年4月10日 GDH
地球の屋根、ヒマラヤ山脈の一角にブータンという小国があります。この国の政府は世界で唯一GDH(Gross
Domestic Happiness)という指標を国民に提示しています。GDHとは日本語訳で国民総幸福度と訳していいと思います。
通常、その国の経済を端的に表す指標としてはGDP(国民総生産)が用いられます。ブータンはそれに加え、環境保護・文化保護・クリーンな政府という3点を加えGDHの柱石としています。国民の幸福を最優先させるため、この国では国家予算の20%近くを医療や教育に費やしています。経済成長を追及するのではなく、幸福度の向上を目指すブータン政府の基本姿勢に関心を寄せる先進国も徐々に出てきています。(ただブータン自体もネパール人難民問題
などの問題を抱えています。)
「幸福度」とは非常にあいまいな言葉ですが、欧米では「幸せの数値化」の研究が進んでいるようです。被験者に様々な実験を試みて、人が幸せを感じるメカニズムを解明していくわけです。現在、一定の研究成果が得られており、各機関の共通結果として提示されているのが、「人は他人に喜ばれたり役に立った時により幸せを感じる」ということです。例えば、自分がプレゼントを貰うよりも人に上げる時により幸せを感じる、という研究結果が出ています。
社会貢献を掲げる空手道場の基本精神はブータン政策の縮小版と言えます。道場内では指導員を中心にお互いを助け合い、自分だけではなく道場生全員で強くなろうという共通の意識が存在します。それは自分の励ましや助言が他人の向上に役立った時に感じる幸福度の高さが理由にあり、それが助け合いの相乗効果を生む原動力になっているはずです。
生前、大山総裁は「他を益す」という言葉を通し利他的精神の重要性を世界中で説かれました。その真意は奉仕の精神が幸せの顕在化に繋がることを含んでいたのかもしれません。家庭、職場、学校、道場の全てのGDHを上げていきたいものです。■
注)中村道場という一団体に掲載されるコラムであるため私的な題材や意見は極力避け、一般的な内容に的を広げてあります。しかし文章作成上、全ての主観を取り除くことは不可能であることもご理解下さい。上記の文章内で不快な気分を持たれた方は、このコラム蘭はあくまでHP係りが提供しているものであり中村道場全体の意見を代表しているものではない、ということをご理解ください。
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