■ 交拳知愛
2008年2月22日
無形の財産
今大会、中村師範による特別演武が執り行われました。純白の道着に身を包まれた中村師範が登場すると、それまで会場を満たしていたざわめきが静寂に収束していきます。そして
型、転掌の第一動作に入られる頃には張り詰めた緊張感があたりを支配し始めます。体育館全体を鳴動させるかのごとき
気魂漲(みなぎ)る息吹のスケールと師範の臍下丹田から溢れ出るその絶対的な存在感は観ている者を圧倒すると同時に「中村誠」という空手家の偉大さを再認識させてくれます。
迫力の演武は自然石割りで佳境を向かえます。用意された石やレンガの大きさに半端なものはありません。渾身の力を込めた師範の手刀が一閃されると硬い自然石が見事に割れていきます。そして師範がそれらを無造作に傍らに放り投げるたびに「ゴトッ」という鈍い音が場内に響き、割られた石の重量を観客に語りかけます。人間の力では到底割れないようなサイズの石に対しても中村師範は気合もろとも何度も手刀を叩きつけました。それは愛弟子達に自らの背中をもって教える中村師範究極の極真精神伝授法と言えます。
唯物主義がはびこる現代にあっても人間社会から精神性を消滅させることはできません。
人と人との間の仁と義、師弟間の礼節、家族への愛情や支えてくれる人たちとの友情、そして先祖から自分の代までを貫く歴史の重さは個々の生き方に確実に影響を与えているはずです。
そして極真空手を志す者にとっての極真精神、押忍の心、あきらめない気持ち。中村道場門下生にとっては中村魂と言い切ってもいいかもしれません。
今回、師範の姿を通して具現されたその強い精神力は参加した道場生一人一人の脳裏に無形の財産として鮮明に生き続けることでしょう。■
注)中村道場という一団体に掲載されるコラムであるため私的な題材や意見は極力避け、一般的な内容に的を広げてあります。しかし文章作成上、全ての主観を取り除くことは不可能であることもご理解下さい。上記の文章内で不快な気分を持たれた方は、このコラム蘭はあくまでHP係りが提供しているものであり中村道場全体の意見を代表しているものではない、ということをご理解ください。
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